賃貸契約更新時に新たに追加された競売特約について相談内容
神奈川・40代女性
賃貸契約更新のため、新しい契約書が送られてきました。
特約事項の欄に、新しく次のような内容が記載されていました。
この物件は抵当権が設定されている。
抵当権が行使された場合、競売日から6ヶ月以内に立ち退く。
その際、敷金の返還はもとの家主に対するものである。
新しい家主と引き続き新たな契約を結ぶ際は、新たに敷金を払わなければなら
ない場合がある。
この特約の意味するところは、何でしょうか?
また、新たな契約に対し、どのように対応すべきでしょうか?
□■アドバイス:1
私見ですが、この内容の通りであり、対抗はできないと思います。
これは、改正民法395条「短期賃貸借保護」制度の廃止に基づき、
契約書の更新時に、特約条項の追加を行った契約書の一例であり、
法に基づく対応を事前に、判り易く契約書に明記した例であり、
良心的な不動産業者だと思います。
なお、改正民法395条は、以下の通りです。
(平成15年7月25日に国会通過、同年8月1日公布、平成16年4月1日施行)
第395条(建物引渡し猶予制度)
1.抵当権者に対抗することを得ざる賃貸借に因り抵当権の目的たる建物の使
用又は収益を為す者にして左(※Fudosan.JPサポート注:体裁上、「下」
になります)に掲げたるもの(以下建物使用者と称す)は其建物の競売の
場合に於て買受人の買受の時より六箇月を経過するまでは其建物を買受人
に引渡すことを要せず。
一 競売手続の開始前より使用又は収益を為す者
二 強制管理又は担保不動産収益執行の管理人が競売手続の開始後に為し
たる賃貸借に因り使用又は収益を為す者
2.前項の規定は買受人の買受の時より後に同項の建物の使用を為したること
の対価に付き買受人が建物使用者に対し相当の期間を定めて其一月分以上
の支払を催告し其相当の期間内に履行なき場合のは之を適用せず。
・・・・追加ですが、2004年3月31日以前に賃貸借契約を結び、
すでに引渡しも済んで現在契約中である物件については、
2004年4月1日以降も引き続き短期賃貸借保護制度が適用されると思います。
つまり、契約期間または更新期間が3年以内の契約であれば、
抵当権が実行されても、残りの契約期間(または残りの更新期間)中は
利用することができると思われます。
ですから、入居日が2004年3月31日以前であれば、
この特約条項の一部を変更してもらうことになると思います(6ヶ月→残りの契約期間)。
なお、敷金の返還に付きましても新所有者(買受人)に請求することになると思います。
(高原開発・涌井秀人さん)
■□相談者より
親切な助言、ありがとうございます。
大家さんの経営状態(私の場合、大家さんは会社なのです)については
全く分からないので、万が一のために、確認させてください。
今のところには10年ちょっと住んでいます。
ということは、6ヶ月とある部分を契約満了時までという風に
変更してもらうよう交渉できるということですね。
その場合、自動的に敷金は新しい家主に請求可能と考えてよいのでしょうか。
また、この特約とは別に、契約の解除の項目に
「家主は6ヶ月前までに、借り手は1ヶ月前までに申し出れば契約解除できる」
という記載があります。
これとの兼ね合いはどうなりますか。
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